holdが「つかむ」と「開催する」と「待つ」で同じ理由|Hold on. がなぜ待ってになるのか

holdのコアイメージ|つかむ・抱える・開催する・待つが同じ「つかんで、動かないようにする」 英単語のコアイメージ

電話で Hold on. と言われて「待って」の意味だと知ってはいても、なぜ hold なのかは分かりませんでした。会議を開くのが hold a meeting なのも、水が入るのが This holds 2 liters. なのも、全部ばらばらに覚えていました。

holdの意味は1個です。「つかんで、動かないようにする」。訳が6つに見えるのは、つかむものが違うだけでした。そして have・keep との違いも、ここではっきりします。

6つの訳を1個に戻すとこうなる

つかむものが「物」なのか「場」なのか「感情」なのかで、日本語の訳が変わります。

何をつかむか
持つ・つかむを、手でHold this.
抱えるを、腕でShe held the baby.
(会を)開くを、崩れないようにWe held a meeting.
収容する中身を、こぼさずにThis bottle holds 2 liters.
(電話を)待つ回線を、切らずにHold on.
こらえる感情や息を、外に出さずにHold your breath.

縦に読むと、全部「離したら動いてしまうものを、つかんで止めている」話です。つかむものが違うだけで、動きは1個しかありません。

have・keep・hold は、力の入り方が違うだけ

3つとも「持つ」で訳せてしまうので、丸暗記だと必ず混ざります。並べると、力の入り方が3段階になっているのが見えます。

1個の動き力の入り方
have自分の範囲の中にある力ゼロ。ただの状態I have a pen.
keep崩れないように留める間接的。離れていてもいいKeep it warm.
holdつかんで動かないようにする接触。今この瞬間、手が触れているHold this pen.

Hold this.(これ持ってて)は言えますが、Have this. は「これあげる」に近くなります。haveには手が入っていないからです。そして Keep this.(とっておいて)は、渡したまま帰ってこない形になります。3つとも意味が変わります。

それぞれ1本ずつ記事にしています。have|持っている・食べる・してもらうが同じ理由keep|保つ・飼う・〜し続けるが同じ理由

Hold on. が「待って」になる理由

on は「接触したまま」です。電話でいえば、回線をつかんだまま離すな。切らずにそのままでいて、という意味です。

  • Hold on. つかんだまま離さないで → ちょっと待って
  • Hold on a second. 1秒だけそのままで
  • Hold on tight. しっかりつかまって(遊園地の乗り物などで)
  • He held on until help came. 助けが来るまで持ちこたえた

最後の「持ちこたえる」も同じです。手を離せば落ちる状況で、つかみ続けている。Wait. が「時間が過ぎるのを待つ」なのに対し、Hold on. は「今の状態を手放さないで」です。だから電話では Wait. ではなく Hold on. を使います。

hold a meeting が「開催する」になる理由

会議は、放っておいたら起きません。人と時間と場所をつかんで、崩れないように成立させている。それが hold です。

  • We held a meeting. 会議を開催した(主催した側の言い方)
  • We had a meeting. 会議があった(主催者の顔は見えない)
  • The stadium holds 50,000 people. 5万人を収容する(こぼさず抱えていられる)

hold には主催者の手が入っています。have にはそれがありません。イベントや選挙、記者会見が全部 hold なのは、誰かがつかんで成立させているからです。

実際の文で見る

  • Hold your horses. 落ち着いて(馬の手綱を引いたまま待て)
  • Don’t hold your breath. 期待しないほうがいい(息を止めて待つな)
  • She held back her tears. 涙をこらえた(後ろに引き留めた)
  • Hold the line. 電話を切らずにお待ちください
  • It doesn’t hold water. 筋が通らない(水が漏れる=理屈が保てない)
  • Hold that thought. その話は覚えておいて(あとで戻るから)

It doesn’t hold water. は、訳を覚えていないと絶対に出てきません。「水をつかんでおけない=漏れる」で読めば、理屈が保てない話だと分かります。

間違えやすいところ

hold と catch は逆向き

catch は動いているものを止める瞬間、hold は止まったあとを維持する時間です。

  • I caught the ball. 飛んできたボールを捕った(一瞬)
  • I held the ball. ボールを持っていた(その間ずっと)

catch は点、hold は線です。catch a cold(風邪をひく)が一瞬なのも同じ理由で、hold a cold とは言いません。

Hold on. と Wait. の使い分け

Wait. は時間が過ぎるのを待つ、Hold on. は今の状態を手放さない。電話で Wait. と言うと「そこで待っていろ」という命令に近く聞こえます。会話をいったん止めたいときも Hold on. のほうが自然です。

過去形と過去分詞

hold – held – held です。holded とは絶対になりません。be held は「開催される」で、The meeting will be held on Friday. のように予定の告知でよく使われます。

hold が入っている表現は、まとめて読める

1個の動きが入っていれば、あとは後ろの1語の分を足すだけです。

  • hold on 接触したままつかむ → 待つ・持ちこたえる
  • hold up 上に支える → 支える・遅らせる・(銃で)強盗する
  • hold back 後ろへ引き留める → こらえる・隠す・出さない
  • hold out 外へ差し出す → 差し出す・持ちこたえる
  • hold off 遠ざけたまま押さえる → 延期する・(雨が)降らずにいる
  • hold down 下に押さえる → 抑える・(職を)続ける
  • hold together ばらけないようにまとめる → まとまりを保つ

hold up が「支える」と「強盗する」の両方になるのも、支えるために手を上げるのか、相手に手を上げさせるのか、の違いだけです。

hold の意味は、辞書を並べれば自分で1個に戻せます。戻せないのは音のほうです。

「ホールド」と書くと6拍になりますが、英語の hold は1拍です。差が出るのは最後の l で、この l には母音がついていません。舌先を上の歯ぐきにつけるだけで、それ自体が音になります。日本語には子音だけで成立する音がないので、どうしても「ル」と母音を足してしまう。足した瞬間に拍が増えて、別の語に聞こえます。hold / cold / old / feel / call / school も全部この l で、まとめて直る場所です。

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よくある質問

Hold your horses. は失礼になりませんか

親しい相手にはくだけた言い方として使えますが、目上や仕事では避けたほうが無難です。「まあ落ち着けって」に近い響きがあります。丁寧に言うなら Could you hold on a moment? です。

会議は hold と have のどちらを使いますか

主催する側なら hold、参加した話をするなら have が自然です。社内の告知文は The meeting will be held… と受け身の hold がほぼ定型になっています。

hold と grab はどう違いますか

grab はつかむ瞬間、hold はつかんだあとです。catch と同じ関係で、grab が点、hold が線になります。Grab a coffee.(コーヒーを買う)のように、さっと取る場面で使われます。

訳が6つもあるのに、本当に1個で足りますか

読むときは足ります。ただし書くときは足りません。1個の動きは「意味を取る」ための道具で、have・keep・hold のどれが自然かは、聞いて覚えるしかない部分が残ります。

同じやり方で見た他の単語

まとめ

holdの意味は「つかんで、動かないようにする」の1個です。物ならつかむ、人なら抱える、会なら開催する、回線なら切らずに待つ。have は力ゼロ、keep は間接的、hold は接触。この3段階で持てば、3語とも迷わなくなります。

やり方の全体と、他にどの単語を調べる価値があるかは英単語のコアイメージとは|意味を4つ覚えるのをやめて、1個の動きに戻すにまとめています。基本動詞12個の早見表も置いてあります。

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