下の階から「ごはんできたよ」と呼ばれて、英語では I’m coming! と答えます。自分がここから向かうのに、なぜ going ではなく coming なのか。中学で come は「来る」、go は「行く」と習ったのに、この1文でその覚え方は崩れます。
comeの意味は1個です。「話の中心にいる場所へ、近づく」。来る・行くの2つに見えるのは、話の中心がどちらにあるかが違うだけでした。
6つの訳を1個に戻すとこうなる
近づいてくるものが「人」なのか「考え」なのか「結果」なのかで、日本語の訳が変わります。
| 訳 | 何が近づくか | 例 |
|---|---|---|
| 来る | 人が、こちらへ | She came to my house. |
| 行く | 自分が、相手のいる所へ | I’m coming! |
| (考えが)浮かぶ | 考えが、頭の中へ | It came to me. |
| (結果が)〜になる | 結果が、目の前へ | It came true. |
| (順番が)回ってくる | 順番が、こちらへ | Your turn has come. |
| (商品が)ある | 選択肢が、目の前へ | It comes in three colors. |
縦に読むと、全部「何かがこちらへ近づいてきた」話です。近づくものが違うだけで、動きは1個しかありません。
I’m coming! が going にならない理由
ここが日本語話者のいちばん大きなつまずきです。日本語は自分の足元を基準にするので「今、行く」になります。英語は違います。
comeは、話の中心にいる場所へ近づく動きです。呼んでいる相手がいる場所が、その瞬間の中心になります。だから相手のところへ向かうのは come です。
- I’m coming! (呼ばれて)今そっち行く ← 相手のいる所が中心
- I’m going. (今いる場所から)もう行くね ← 自分のいる所が中心。その場を離れる意味になります
- Can I come to your office? そちらへ伺っていいですか
- I’ll come over tonight. 今夜そっちに行くね
電話で「今から行く」を I’m going. と言うと、「私はもう出かけます」と、相手に向かう話にならないことがあります。相手の場所へ向かうと伝えたいときは come です。
この「どちらに立って見ているか」の話は、take と bring でも同じ形で出てきます。take|取る・持っていく・時間がかかるが同じ理由の bring の節と合わせて読むと、視点で決まる語の全体が見えます。
come + 形容詞が、いい方向にしかならない理由
come true(実現する)/come alive(活気づく)/come clean(正直に打ち明ける)。come のあとに形容詞が来ると、なぜか良い方向の変化ばかりです。偶然ではありません。
comeは「まだ無かったものが、目の前に現れる」動きだからです。現れる=そこに達する、なので、達成や実現の側に寄ります。
- My dream came true. 夢が、目の前に現れた
- The town came alive at night. 活気が、目の前に現れた
- Just come clean. きれいな状態が、目の前に現れる → 白状する
反対に go + 形容詞は、go bad / go wrong / go crazy と悪い方向ばかりです。goは「元の場所から離れる」動きなので、離れた先は正常ではなくなるからです。この対比はgo|行く・〜になる・鳴るが同じ理由のほうで詳しく書いています。
実際の文で見る
- How come? どうして?(どうやってそうなった=どういう経路でこちらに来た)
- It didn’t come to mind. 思い浮かばなかった
- Christmas is coming. クリスマスが近づいている
- It comes with a manual. 説明書が付いてくる
- Come to think of it… そういえば(考えがこちらに来てみると)
- Where do you come from? どこの出身ですか(どこから来た人か)
How come? は「なぜ」の意味なのに why が入っていません。「どうやってその状態がこちらに来たのか」で読むと、そのまま通ります。
間違えやすいところ
Come here. と Go there. で迷わない考え方
話し手が指している場所が、どちらにあるかだけです。自分の側なら come、自分から離れた側なら go。
- Come here. こちらへ(私のいる場所へ近づいて)
- Go there. あちらへ(私から離れた場所へ)
- I’ll go there and come back. 行って、戻ってくる。同じ道でも向きで語が変わります
come and see の and は「そして」ではない
Come and see. は「来て、そして見て」の2つの動作ではなく、ほぼ「見にきて」の1つの動作です。会話では and が落ちて Come see. とも言います。go and get も同じで、Go get it.(取ってきて)のほうがよく聞きます。
過去形と過去分詞
come – came – come です。過去分詞が原形と同じ形に戻ります。I have come. は「来た状態を今持っている=もう着いている」で、have のコアがそのまま効いています。have|持っている・食べる・してもらうが同じ理由
come が入っている表現は、まとめて読める
1個の動きが入っていれば、あとは後ろの1語の分を足すだけです。
- come across 横切る形で目の前に来る → 偶然出会う・(印象が)伝わる
- come up 上がってこちらに来る → 話題に出る・持ち上がる
- come up with 持ってこちらに上がってくる → 思いつく
- come over 越えてこちらに来る → 立ち寄る
- come out 外へ出て目の前に来る → 発売される・結果が出る・打ち明ける
- come along 並んで一緒に来る → ついてくる・進展する
- come down to 下りてそこに行き着く → 結局〜になる
come up with が「思いつく」になるのも、考えを持って自分の意識のところまで上がってくると読めばそのままです。
come の意味は、辞書を並べれば自分で1個に戻せます。戻せないのは音のほうです。
comeは o と書くのに「オ」とは読みません。come / love / money / month / young / touch は、綴りがばらばらなのに母音は全部同じ1個の音です。口をほとんど開けない、日本語の「ア」より弱い音になります。綴りが違うのに音が同じ、という組が英語にはいくつもあって、文字を手がかりにしている限り引けません。カタカナの「カム」で覚えていると、come と calm と comb が全部同じ音に見えてしまいます。実際は3つとも違います。
発音だけを見るスクールは何社かあって、料金も、どこまで見てくれるかも違います。先に決めるのは料金ではなく、自分がどこで止まっているかのほうです。発音矯正スクールを「どこで止まるか」で比べる|料金表より先に自分の段階を決めるに、料金と期間をまとめてあります。
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よくある質問
店員に呼ばれて向かうときは come と go どちらですか
呼んだ人のいる場所が中心になるので come です。I’m coming. と答えます。ただしその場を離れることだけを言いたいときは I’m going now.(もう行きます)で、これは別の意味になります。
come の後ろが to だったり with だったりします
近づく先を言うなら to、一緒に来るものを言うなら with です。come to the party(パーティーへ近づく)/come with a manual(説明書を伴って来る)。後ろの語がそのまま意味を足しています。
How come の後ろが疑問文の語順にならないのはなぜですか
How come が How did it come about that〜? の省略から来ているためです。How come you didn’t call? のように、後ろは普通の語順のままにします。why より少しくだけた言い方です。
訳が6つもあるのに、本当に1個で足りますか
読むときは足ります。ただし書くときは足りません。1個の動きは「意味を取る」ための道具で、come と go のどちらを選ぶかは、話し手がどこに立っているかを毎回考える練習が要ります。
同じやり方で見た他の単語
- go|行く・〜になる・鳴るが同じ理由
- turn|回す・曲がる・〜になるが同じ理由
- give|あげる・渡す・放つが同じ理由
- keep|保つ・飼う・〜し続けるが同じ理由
- hold|つかむ・開催する・待つが同じ理由
- set|置く・沈む・固まるが同じ理由
- get|手に入れる・着く・分かるが同じ理由
- take|取る・持っていく・時間がかかるが同じ理由
- have|持っている・食べる・してもらうが同じ理由
- make|作る・させる・成立させるが同じ理由
- put|置く・入れる・言い表すが同じ理由
- run|走る・経営する・流れる・立候補するが同じ理由
- spring|春・バネ・泉が同じ理由
- present|贈り物・現在・出席が同じ理由
- hot|熱い・辛い・人気が同じ理由
- put on|着る・太る・音楽をかけるが同じ理由
- take off|脱ぐ・離陸する・急に売れるが同じ理由
- get over|乗り越える・回復する・忘れるが同じ理由
まとめ
comeの意味は「話の中心にいる場所へ、近づく」の1個です。人なら来る、自分が相手の所へ向かうなら行く、考えなら浮かぶ、結果なら実現する。「来る」と「行く」の両方になるのは、話の中心がどちらにあるかで決まるからです。
やり方の全体と、他にどの単語を調べる価値があるかは英単語のコアイメージとは|意味を4つ覚えるのをやめて、1個の動きに戻すにまとめています。基本動詞12個の早見表も置いてあります。


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