giveは「あげる」で覚えていました。それで長いあいだ足りていたのに、give a call(電話する)と give off a smell(においを放つ)と give up(あきらめる)が出てきて止まりました。電話はあげるものなのか。においはあげるものなのか。
giveの意味は1個です。「自分の側から離して、外へ出す」。訳が6つに見えるのは、外へ出すものが違うだけでした。そして give up があきらめるになる理由も、ここから出てきます。
6つの訳を1個に戻すとこうなる
外へ出すものが「物」なのか「時間」なのか「動作」なのかで、日本語の訳が変わります。
| 訳 | 何を外へ出すか | 例 |
|---|---|---|
| あげる・与える | 物を、相手へ | I gave her a book. |
| 渡す | 物を、手から手へ | Give me the salt. |
| (時間を)割く | 時間を、相手へ | Give me five minutes. |
| (情報を)伝える | 話を、相手へ | Give me the details. |
| (会を)開く | 場を、人のために | We gave a party. |
| (においや光を)放つ | においを、外へ | It gives off a smell. |
縦に読むと、全部「自分の側にあったものが、外へ出ていった」話です。出すものが違うだけで、動きは1個しかありません。
「あげる」と訳すと、半分ずれる
日本語の「あげる」は、相手が受け取って喜ぶものにしか使いません。giveにはその制限がありません。自分の側から外へ出るものなら、何でも give です。
- She gave me a smile. 微笑みかけてくれた(笑顔が相手へ出ていった)
- He gave me a strange look. 変な目で見られた。これは嬉しくありません
- The heater gives off heat. ヒーターが熱を出す。相手すらいません
- Give me a call. 電話して(呼びかけをこちらへ出して)
2つ目のように、giveは良いものにも悪いものにも使えます。「あげる」で覚えていると、この文が読めません。出ていく方向だけを言っている語だからです。
give は take の裏返しです
この2語は対で覚えると一気に楽になります。動きは同じ直線で、向きだけが逆です。
- take 自分で選んで、自分の側へ引き寄せる
- give 自分の側から離して、外へ出す
give and take(持ちつ持たれつ)という言い方が、そのまま両方向を並べた形になっています。take|取る・持っていく・時間がかかるが同じ理由
いちばん分かりやすいのが「見る」の3つです。同じ a look でも、動詞が変わると向きが変わります。
| 形 | 向き | 意味 |
|---|---|---|
| have a look | 自分の範囲の中に持つ | ちょっと見る(イギリス寄り) |
| take a look | 自分の側へ引き寄せる | ちょっと見る(アメリカ寄り) |
| give a look | 相手へ向けて出す | (相手を)ちらっと見る・目線を送る |
have と take はほぼ同じ意味ですが、give だけ向きが逆なので意味が変わります。3つを並べて覚えると、この形の全体が見えます。have|持っている・食べる・してもらうが同じ理由
give up が「あきらめる」になる理由
giveの句動詞でいちばん訳と形が遠いのが give up です。ここが分かると残りも同じやり方で読めます。
up は「差し出す方向」です。自分が持っていたものを、上へ差し出して手放す。降参するときに両手を上げる、あの身振りと同じ形です。
- I gave up smoking. タバコを手放した → やめた
- Don’t give up. 持っているものを手放すな → あきらめるな
- He gave himself up. 自分自身を差し出した → 自首した
- Don’t give up on me. 私のことを手放さないで → 見捨てないで
最後の on が付く形は、手放す対象が「人」ではなく「その人への期待」になります。give up smoking(タバコをやめる)と give up on him(彼を見捨てる)は別の形です。
実際の文で見る
- Give it a try. やってみて(1回分の試みを外へ出す)
- Give me a break. 勘弁してよ(ひと休みをこちらへ出して)
- The bridge gave way. 橋が崩れた(支えを手放した)
- I gave him my word. 彼に約束した(言葉を差し出した)
- Give or take five minutes. 5分前後(出すか引くか)
- What gives? どうしたの(何が出てきているの)
give way が「崩れる」になるのも、支えていた力を手放したと読めばそのままです。標識にある Give way は「道を譲れ」で、これも同じ動きです。
間違えやすいところ
give me the salt と give the salt to me
どちらも正しく、後ろに置いたほうが強調されます。
- Give me the salt. 何を渡すか(塩)が新しい情報
- Give the salt to me. 誰に渡すか(私に)が新しい情報。他の人ではなく私に、という含み
代名詞が2つ並ぶときは Give it to me. の形にします。Give me it. は言えなくはありませんが、不自然に聞こえます。
give up と give in の違い
どちらも「屈する」に見えますが、向きが違います。give up は手放す、give in は相手の側へ譲り渡すです。
- give up 自分の努力そのものをやめる → I gave up.(もうやめた)
- give in 相手の要求を受け入れる → I gave in to him.(彼に折れた)
give in には必ず相手がいます。give up には相手が要りません。
過去形と過去分詞
give – gave – given です。given は「与えられた状態」なので、given that〜(〜を考えると)や a given(前提)のように名詞や接続詞にもなります。すでに差し出されて手元にあるもの、という意味です。
give が入っている表現は、まとめて読める
1個の動きが入っていれば、あとは後ろの1語の分を足すだけです。
- give up 上へ差し出して手放す → あきらめる・やめる
- give in 相手の側へ譲り渡す → 屈する・提出する
- give away 離れた所へやる → ただであげる・(秘密を)漏らす
- give off 表面から離して出す → (においや光を)放つ
- give out 外へ出す → 配る・(力が)尽きる
- give back 元へ出し戻す → 返す
- give way 支えを手放す → 崩れる・道を譲る
give away が「あげる」と「秘密を漏らす」の両方になるのも、手元から離れた所へ出てしまうのが物なのか情報なのか、の違いだけです。
give の意味は、辞書を並べれば自分で1個に戻せます。戻せないのは音のほうです。
日本語では「ギブ」と書きます。この b が、いちばん直りにくい癖です。giveの語末は v で、上の前歯を下唇に軽く当てて息を出し続ける音です。b は唇を閉じて破裂させる音なので、口の形からして別物になります。英語に -b で終わる give はありません。give / love / have / live / move / believe も全部この v で、まとめて直る場所です。しかも日本語には v の音そのものが無いので、意識して作らないかぎり一生 b のままになります。
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よくある質問
Give me a call. と Call me. はどう違いますか
意味はほぼ同じで、give を使うほうが少しやわらかく聞こえます。動詞1個で言い切るより、1回分の行為を差し出す形にしたほうが、命令の色が薄れるためです。Give it a try. も同じで、Try it. より押しつけになりません。
give と offer はどう違いますか
giveは渡し終わっている、offerは差し出しただけで相手はまだ受け取っていません。He offered me a job.(仕事を打診された)と He gave me a job.(仕事をもらった)は結果が違います。
give up の後ろは -ing ですか to 不定詞ですか
-ing です。I gave up smoking.(タバコをやめた)。to 不定詞は「これからすること」を指すので、手放す話とは向きが合いません。すでにやっていたことを手放す、という形なので -ing になります。
訳が6つもあるのに、本当に1個で足りますか
読むときは足ります。ただし書くときは足りません。1個の動きは「意味を取る」ための道具で、どの名詞と組むのが自然かは、聞いて覚えるしかない部分が残ります。
同じやり方で見た他の単語
- take|取る・持っていく・時間がかかるが同じ理由
- get|手に入れる・着く・分かるが同じ理由
- have|持っている・食べる・してもらうが同じ理由
- make|作る・させる・成立させるが同じ理由
- put|置く・入れる・言い表すが同じ理由
- come|来る・行く・浮かぶが同じ理由
- go|行く・〜になる・鳴るが同じ理由
- turn|回す・曲がる・〜になるが同じ理由
- keep|保つ・飼う・〜し続けるが同じ理由
- hold|つかむ・開催する・待つが同じ理由
- set|置く・沈む・固まるが同じ理由
- run|走る・経営する・流れる・立候補するが同じ理由
- spring|春・バネ・泉が同じ理由
- present|贈り物・現在・出席が同じ理由
- hot|熱い・辛い・人気が同じ理由
- put on|着る・太る・音楽をかけるが同じ理由
- take off|脱ぐ・離陸する・急に売れるが同じ理由
- get over|乗り越える・回復する・忘れるが同じ理由
まとめ
giveの意味は「自分の側から離して、外へ出す」の1個です。物なら渡す、時間なら割く、においなら放つ、努力なら手放す。そして take とは同じ直線の逆向きなので、2語をセットで持つと一気に楽になります。
やり方の全体と、他にどの単語を調べる価値があるかは英単語のコアイメージとは|意味を4つ覚えるのをやめて、1個の動きに戻すにまとめています。基本動詞12個の早見表も置いてあります。


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