makeは「作る」で覚えていました。それで長いあいだ困らなかったのに、make a decision(決断する)と make friends(友達になる)と We made it!(やった)が出てきた瞬間に、全部つながらなくなりました。決断は作るものなのか。友達は作るものなのか。
makeの意味は1個です。「なかったものを、形にする」。訳が6つに見えるのは、形にするものが違うだけでした。そして do との使い分けも、ここで消えます。
6つの訳を1個に戻すとこうなる
形にするものが「物」なのか「行為」なのか「状況」なのかで、日本語の訳が変わります。
| 訳 | 何を形にするか | 例 |
|---|---|---|
| 作る | 物を、材料から | I made a cake. |
| (行為を)する | 行為を、なかった所から | make a decision |
| 〜させる | 相手を、その形に | It made me cry. |
| (合計が)〜になる | 数を、その形に | Two and two make four. |
| (お金を)稼ぐ | お金を、なかった所から | She makes a living. |
| 成し遂げる・間に合う | 状況を、成立の形に | We made it. |
縦に読むと、全部「なかったものが、形になった」話です。形にするものが違うだけで、動きは1個しかありません。
「作る」と訳すと、半分ずれる
日本語の「作る」は、ほとんど物にしか使いません。makeは形のないものにこそ使います。ここが日本語とずれている場所です。
- make a decision 決断を形にする → 決める
- make friends 友達という関係を形にする → 友達になる
- make sense 意味が形になる → 筋が通る
- make a mistake 間違いを形にしてしまう → 間違える
- make room 空きを形にする → 場所をあける
make friends が「友達を作る」に見えると、少し打算的な響きに感じます。「なかった関係を、形にする」で読むと、そういう色は消えます。make sense も同じで、意味が湧いて形になる、という言い方です。
do と make の違いは、暗記するものではない
do homework とは言うのに make homework とは言わない。make a plan とは言うのに do a plan とは言わない。ここを丸暗記している人が多い場所です。
doは、すでにある枠をこなす。makeは、なかった所から形にする。それだけです。
- do the homework 宿題という枠は先に配られている。それをこなす
- do the dishes 皿は先にある。洗うという決まった作業をこなす
- make a plan 計画は無い所から出す
- make a cake ケーキは無い所から出す
- make a mistake 間違いも、無い所から生まれてしまう
迷ったら「それは先にあったか、今生まれたか」で判断できます。do は決まった仕事、make は生み出すこと。do business(決まった商売をこなす)と make money(無い所からお金を出す)が同じ文に並ぶのは、そういう理由です。
make it が訳せない理由
makeでいちばん訳しにくいのが make it です。辞書には「成功する」「間に合う」「都合がつく」「たどり着く」と別々に載っています。
全部同じです。it は「その状況」で、それを成立の形にする。何の状況かは、文脈が決めます。
- We made it! (登山で)登り切った/(電車で)間に合った/(仕事で)やり遂げた
- Can you make it on Friday? 金曜は都合がつきますか
- He made it as an actor. 俳優として成功した
- She didn’t make it. 助からなかった(重い場面で使われます)
訳を4つ覚えても、5つ目の場面では止まります。「その状況を成立させる」で持っておくほうが、実際には使えます。
間違えやすいところ
使役の make は「強制」の色がつく
make + 人 + 動詞の原形。相手を無理にその形にする、という強さが入ります。
- make 形を与える → 強制。My boss made me stay late.
- have 範囲の中にその状態を持つ → 中立の依頼。I had him check it.
- get ない状態からある状態へ移す → 説得して動かす。I got him to check it.
ただし It made me cry.(感動して泣いた)のように、主語が人でないときは強制の色が消えて「そうさせた」だけになります。この3つの違いはhave|持っている・食べる・してもらうが同じ理由でも扱っています。
be made of と be made from の違い
材料が見て分かるかどうかです。
- of 見れば分かる → This desk is made of wood.(木だと分かる)
- from 見ても分からない → Wine is made from grapes.(ぶどうの形は残っていない)
- into 結果のほうを言う → Grapes are made into wine.
形が残っているなら of、形が変わって消えたなら from。makeが「形にする」だと分かっていれば、この使い分けもそのまま出てきます。
make + 人 + 原形に to が要らない理由
He made me wait. で、なぜ to wait にならないのか。makeは形を与えるところまでを一息で言う語なので、間に to を挟みません。ただし受け身になると He was made to wait. と to が戻ります。強制した人が消えて、行為だけが残るからです。
make が入っている表現は、まとめて読める
1個の動きが入っていれば、あとは後ろの1語の分を足すだけです。
- make up 組み上げて形にする → 構成する・でっちあげる・仲直りする
- make out 形を取り出す → 見分ける・聞き取る・理解する
- make up for 足りない分を形にして埋める → 埋め合わせる
- make for その方向へ形を進める → 〜へ向かう
- make off 形にして離れる → 持ち逃げする
- make do あるもので形を成立させる → 間に合わせる
make up が「化粧」と「仲直り」と「でっちあげ」の3つになるのは、組み上げる対象が顔なのか関係なのか話なのか、の違いだけです。会話では仲直りの意味がいちばんよく出ます。
make の意味は、辞書を並べれば自分で1個に戻せます。戻せないのは音のほうです。
makeは後ろに名詞をつなげる形がとても多い語です。そして語末の k は、次に子音が来ると破裂しません。make sure は「メイクシュア」ではなく「メイッシュア」、make time は「メイタイム」、make sense は「メイセンス」に近い音になります。kが消えたのではなく、口の形だけ作って音を出していません。カタカナで「メイク」と3拍で言うと、そこに無いはずの音が2つ増えます。この不完全破裂は英語のいたる所で起きていて、聞き取れない原因の大きな部分がここにあります。
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よくある質問
do と make、それでも迷う組み合わせがあります
境目にあるものは実際にあります。do a favor(頼みを聞く)は枠が先にある側、make an effort(努力する)は無い所から出す側です。迷ったら「その行為は今生まれたか」で判断してください。7割はそれで足ります。
make と create はどう違いますか
createのほうが「今までに無かったものを生み出す」の色が濃く、少しかたい語です。日常の会話で使うのはほぼ make です。make a website と create a website はどちらも言えますが、前者のほうが自然に聞こえます。
make と let の使役はどう違いますか
makeは無理にその形にする、letは相手のしたいようにさせる、です。Let me know.(教えて)が Make me know. にならないのは、そこに強制が入らないからです。
訳が6つもあるのに、本当に1個で足りますか
読むときは足ります。ただし書くときは足りません。1個の動きは「意味を取る」ための道具で、どの名詞と組むのが自然かは、聞いて覚えるしかない部分が残ります。
同じやり方で見た他の単語
- get|手に入れる・着く・分かるが同じ理由
- take|取る・持っていく・時間がかかるが同じ理由
- have|持っている・食べる・してもらうが同じ理由
- come|来る・行く・浮かぶが同じ理由
- go|行く・〜になる・鳴るが同じ理由
- turn|回す・曲がる・〜になるが同じ理由
- give|あげる・渡す・放つが同じ理由
- keep|保つ・飼う・〜し続けるが同じ理由
- hold|つかむ・開催する・待つが同じ理由
- set|置く・沈む・固まるが同じ理由
- put|置く・入れる・言い表すが同じ理由
- run|走る・経営する・流れる・立候補するが同じ理由
- spring|春・バネ・泉が同じ理由
- present|贈り物・現在・出席が同じ理由
- hot|熱い・辛い・人気が同じ理由
- put on|着る・太る・音楽をかけるが同じ理由
- take off|脱ぐ・離陸する・急に売れるが同じ理由
- get over|乗り越える・回復する・忘れるが同じ理由
まとめ
makeの意味は「なかったものを、形にする」の1個です。材料なら作る、行為なら する、相手なら させる、状況なら成立させる。そして do との違いも、枠が先にあるか今生まれたか、の1本で片づきます。
やり方の全体と、他にどの単語を調べる価値があるかは英単語のコアイメージとは|意味を4つ覚えるのをやめて、1個の動きに戻すにまとめています。基本動詞12個の早見表も置いてあります。


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