スパトレの評判が高くても、社会人の私がすぐ飛びつけなかった理由
金曜の夜22時半、駅から家までの5分の道で、私はスマホの画面を消したり点けたりしていた。営業事務の私の週は、木曜あたりから体の芯が重くなる。取引先への見積もり修正が3件重なった週なんて、家に着いた時点でもう脳の電源が落ちかけている。そんな状態で「スパトレ 評判 社会人」を打ち込んで、出てきた記事を上から順にスクロールした。
どのページも、良い口コミと悪い口コミをきれいに2列に並べて、最後は星の数と満足度で締めていた。読み終わったとき、私の手元に残ったのは「良さそう」というぼんやりした感触だけだった。その感触に、私はもう1回だまされそうになっていた。
「コスパ最強」の口コミは、誰が書いたのかが抜けている
星4.8とか、満足度9割とか、そういう数字を見ると心が動く。動くんだけど、その数字を出した人が平日にどれだけ余力を持っている人なのかは、どこにも書いていない。予習を毎晩きちんと回せた大学生と、22時に帰宅して湯船に浸かる気力もない私が、同じ「評判」の器に混ぜられて平均されている。
私が知りたかったのは平均点じゃなかった。営業事務でくたくたに帰ってきた27歳の私が、予習を前提にしたこのサービスを平日の夜に回せるのか。それだけだった。上位の記事はその問いに「安いですよ、満足度も高いですよ」としか返してこない。安さは、続けられる保証にはならない。
過去に単語帳を7ページで閉じた記憶
私には前科がある。2年前、意気込んで買った単語帳は7ページ目の付箋のところで止まったまま、今も本棚で背表紙を見せている。発音矯正のアプリは3日で通知を切った。TOEICの参考書は最初のリスニング模試で心が折れて、机の引き出しに沈んだ。
だから「良い教材」「効率的な学習法」という言葉には、もう反応しなくなっていた。教材の良し悪しで私が止まったことは1度もない。良い教材を買っても、それを開く夜を作れなかった。私の問題はいつもそこにあった。評判レビューはこの部分に触れてくれない。触れないまま、申し込みボタンへ私を運ぼうとしてくる。
「予習しなくていい英会話」を3つ試して全部途中でやめた話
スパトレを検討する前、私は予習が要らない英会話サービスを実際にいくつか試している。予習が負担なら、予習ゼロで始められるものを選べばいい。当時の私は本気でそう考えていた。結果、そのどれもが続かなかった。この失敗の中身を書いておきたい。ここに、私がスパトレの予習必須に引っかかった伏線がある。
予習ゼロのオンライン英会話は、25分がただ流れていった
最初に試したのは、予習不要をうたう定番のオンライン英会話だった。テキストを開くだけでその場でレッスンが始まる。準備が要らないのは楽だった。楽だったんだけど、レッスンの25分間、私は用意された質問にYesとNoと単語をぶつ切りで返すだけの人になっていた。
講師が「What did you do last weekend?」と聞く。頭の中で「先週末は掃除して、友達と渋谷でランチして」と組み立てようとするうちに、口から出るのは「I cleaned. And… lunch. Shibuya.」だけ。文になっていない。その場で考える力がないから、レッスンが会話の練習ではなく、私の英語力のなさを25分かけて確認する時間になっていた。10回ほど受けて、予約画面を開かなくなった。
フレーズ暗記アプリは、覚えた翌日には消えていた
次に手を出したのは、日常フレーズをその場で覚えて話すタイプのアプリだった。「Could you tell me the way to the station?」みたいな型を口に出して覚える。やっている間は達成感があった。でも翌日、通勤電車で同じフレーズを思い出そうとすると、8割方どこかへ消えていた。
覚えたフレーズが自分の言いたいことと噛み合う瞬間が、なかなか来なかった。ワーホリで実際に交わしたい会話は、テンプレートの外にある。シェアハウスの家主に洗濯機の使い方を聞いたり、バイト先の同僚と休憩中に世間話をしたり。型だけ増えても、その型を組み替える力が育たない。2週間で開かなくなった。
楽して始めたものほど、私の弱点をそのまま放置した
この2つに共通していたのは、準備が要らない代わりに、私の一番弱いところに手を入れないまま進むことだった。私の弱点は、言いたいことを英語の文に組み立てる、その手前の段階にある。予習ゼロのサービスは、その段階を飛ばして本番だけをやらせる。だから毎回、組み立てられない自分を突きつけられて、しんどくなって離れた。
楽なほうを選んだのに、続かなかった。この経験があったから、私はスパトレの「予習必須」という文字を見たとき、反射的に身構えつつも、どこかで引っかかった。もしかしたら、私が避けてきたその面倒くさい部分こそ、私に足りなかったものかもしれない、と。
予習必須というデメリットが、独学に失敗した私に効いた仕組み
スパトレの流れは、レッスン前に予習教材をやってからレッスンに入る。この予習が必須なのが、多くの評判レビューで「ハードに感じる人もいる」と弱点扱いされている部分だ。私も最初は「また続かないやつだ」と思った。でも実際にやってみて、この面倒くささが私にとっては逆に働いた。理由が3つある。
レッスン前に25分の予習をやると、本番で言葉が出た
スパトレでは、レッスンの教材を先に読み込んで、自分の答えを用意してからレッスンに臨む。私は仕事から帰った夜、21時ごろに予習教材を開くようになった。教材を読んで、出てくる質問への答えを頭の中で英語にしておく。この作業に25分ほどかかる。
そして翌朝の7時、出勤前にレッスンを予約して受ける。すると、前の晩に一度組み立てた答えが口から出てくる。完璧じゃないけれど、単語のぶつ切りでは終わらない。予習ゼロの英会話で味わった「25分が流れていくだけ」の無力感が、ここでは起きなかった。予習が、本番で言葉を出すための助走路になっていた。
復習まで含めた流れが、覚えたことを翌日まで残した
フレーズアプリで覚えた型が翌日に消えていたのは、覚えっぱなしで使わなかったからだった。スパトレは予習で仕込んだものをレッスンで実際に使い、そのあと復習で言い直す。同じ表現に3回触れることになる。予習で1回、レッスンで1回、復習で1回。
3回触れた表現は、翌日の通勤電車でも思い出せた。「先週末はスーパーで買いすぎて袋が破れた」みたいな、教材にあった状況を自分の生活に置き換えて英語で言えるようになっていた。1回で消えていたものが、3回で残る。この差は、続けるうえで大きかった。
白井恭弘監修の学習法が、私のやり方の何が間違っていたかを言語化した
スパトレは白井恭弘教授が監修していて、第二言語習得論に基づいて組まれている。専門用語は正直よく分からないけれど、1つだけ腑に落ちたことがある。言語は、意味のあるやりとりの中で何度も使って初めて身につく。単語帳を眺めるだけの私のやり方は、この「使う」の部分がまるごと抜けていた。
7ページで止まった単語帳。あれは覚えた言葉を使う場面がどこにもなかったから、脳が「これは要らない情報だ」と判断して捨てていた。スパトレの予習からレッスンから復習までの流れは、覚えた言葉を必ず使わせる。私が独学で欠かしていた1ピースが、ここに入っていた。
月5,980円を、私が過去に払ったレッスン代の隣に置いてみる
料金の話をしておきたい。スパトレのスパトレプランは月5,980円で、1日1回レッスンが受けられる。毎日受ければ1回あたり200円を切る。この数字だけ見せられても、正直ピンとこない。安い高いは、自分が過去に何にいくら払ったかと並べて初めて意味を持つ。
私の英語支出は、実感の薄いものばかりだった
これまで私が英語に使ったお金を思い出せる範囲で書き出すと、単語帳2冊で3,400円、TOEICの参考書3冊で6,000円ほど、有料アプリの年間課金が11,000円。どれも最初の数日でやめたから、1回あたりのコストで割ると、目を背けたくなる数字になる。11,000円のアプリは3日で閉じたから、1日あたり3,600円ほど払っていた計算になる。
月5,980円で毎日レッスンを受けられるとして、週に5日でも受ければ月に20回以上。1回あたり300円を切る。過去に私が実感のないまま溶かしてきた支出と比べると、この価格で会話の場が毎日ある事実は、悪くない話だった。
高額コーチングと迷ったけれど、私には向かなかった
実は一時、月に数万円の英語コーチングも検討した。専属コーチが学習を管理してくれるタイプ。これなら私でも続くかもしれないと思った。でも、体験の説明を聞いていて気づいた。高いお金を払ってもコーチが私の代わりに勉強してくれるわけじゃない。結局、毎晩机に向かうのは私だ。
高い金額を払うことで自分を追い込む作戦は、過去のスクールで一度やって失敗している。金額のプレッシャーは最初の2週間しか効かなかった。だから今回は、続けられなくても痛手が小さくて、それでいて毎日の場がある価格帯を選んだ。月5,980円は、私が「今月はきつかった」と思っても心が折れない範囲に収まっていた。
会話の量を補うなら、別の教材との組み合わせも考えた
スパトレは予習が前提だから、日によっては予習の時間が取れない夜も出てくる。そういう日は、スマホだけで完結する教材を挟むのも手だと思った。私はスタディサプリENGLISH 新日常英会話コースを予習が回らない日の穴埋めとして頭に置いている。ドラマ仕立てで進むから、疲れた夜でも布団の中で10分だけ触れられる。スパトレで組み立てる力を育てつつ、崩れそうな日はこちらでつなぐ。この2段構えが、私の脱落を防いでくれそうだった。
社会人がスパトレで脱落しやすい3つの夜と、そこで私がやったこと
予習が効くとはいえ、脱落する夜は必ず来る。私が実際につまずいた3つの場面と、そこでどう踏みとどまったかを書いておく。ここが、続けられるかどうかの分かれ目だった。
予習の時間が1分も取れないと感じた金曜の夜
週の終わり、金曜の22時半に帰宅した夜、私は予習教材を開く気力がゼロだった。ここで完璧を目指すと、その日をまるごと飛ばして、翌週には予約画面を開かなくなる。過去の私はこのパターンで全部を失ってきた。
だから金曜だけは、予習を教材の音声を1回聞き流すだけに縮めた。答えを組み立てるのはあきらめて、明日のレッスンで何を扱うかだけ頭に入れる。この日のレッスンは出来がひどくても構わないと割り切る。7の完成度を毎日狙うより、3の完成度でも毎日続けるほうが、私には合っていた。金曜を捨てなかったことで、週明けの月曜も予約画面を開けた。
受けたい時間帯に人気講師が埋まっていたとき
朝の7時台は、社会人に人気の時間らしく、評価の高い講師が埋まっていることが多い。最初、私は「この先生じゃなきゃ」とこだわって予約を後回しにし、そのまま受け損ねた日があった。
2週目からは、講師を固定するのをやめた。前夜のうちに、翌朝空いている講師の中から予約を先に押さえてしまう。誰に習うかより、明日の朝ちゃんと受ける枠を確保するほうを優先した。いろんな講師に当たるのは、いろんな発音やテンポに慣れる練習になった。埋まっていたことが、結果的に私の耳を鍛えた。
システムに戸惑って初日でやめかけたとき
初日、レッスンの入り方が分からなくて、開始時刻に接続できずに焦った。予習教材の場所も最初は迷った。ここで「面倒くさい」と感じてやめる人は多いと思う。私も一度スマホを置いた。
ただ、置いたあとで思い直した。操作に戸惑うのは初日だけだ。2日目には予習教材の場所も予約の流れも体が覚える。実際、3日目からは何も考えずに予習から予約まで流れていった。初日の戸惑いを、サービスそのものの評価にすり替えないこと。これが、過去に何度もアプリを3日で閉じてきた私への、いちばんの戒めだった。
スパトレが刺さる社会人と、合わない社会人の線引き
正直に書くと、スパトレは誰にでも合うものじゃない。予習必須という性質が、人によっては最後まで負担のままになる。自分がどちらの側にいるか、私なりの見極め方を残しておきたい。
独学で何度も止まってきた人には、予習の枠組みが効く
私のように、単語帳もアプリも参考書も途中で止めてきた人。この手の人は、自分ひとりでは勉強の場を作れないという弱点を持っている。スパトレの予習は、翌朝のレッスンという締め切りがあるから、いやでも机に向かう理由になる。「明日レッスンがあるから、今夜やっておかないと恥をかく」という圧が、独学では作れなかった強制力を与えてくれた。
誰かに管理されなくても、翌朝のレッスンが管理役をしてくれる。独学に失敗した人ほど、この外側からの締め切りが効く。私はまさにこの型だった。
会話の場数だけをとにかく増やしたい人には、物足りない
逆に、ある程度話せる状態で、とにかく場数を踏んで慣れたいだけの人には、予習が回りくどく感じるはずだ。フリートークができない仕様も、そういう人には窮屈だろう。話す力が既にある人は、予習の手間を飛ばして、より自由に話せるサービスを選んだほうが伸びる。
私は場数の前に、文を組み立てる段階でつまずいていたから、予習が助けになった。でも自分の課題が場数の不足にあるなら、スパトレは遠回りになる。ここは自分の弱点がどこにあるかで割れる。
30歳の期限が見えている人の、時間の使い方
私はワーホリに行きたいと言い続けて27歳になった。年齢の上限が30歳の国が多くて、私に残された時間はもう長くない。あと3年をどう使うか。この焦りがある人にとって、毎日の予習とレッスンで会話の力を積み上げる流れは、時間を無駄にしにくい。
1日25分のレッスンと、その前の予習20分。合わせて45分ほどを毎日確保できれば、1年で相当な量になる。5年後回しにしてきた私が、いま踏み出せる現実的なペースはこのあたりだった。壮大な計画を立てて3日で崩すより、45分を毎日積むほうが、30歳の期限には間に合う。
迷っている27歳が、評判を読む時間を今週の7日間に変える
スパトレには7日間の無料体験がある。口コミを星の数で読み比べる時間があるなら、その時間で1回でも予習を回して、自分の疲れた夜に乗るかどうかを確かめたほうが早い。他人の満足度は、私の金曜の夜が回るかを証明してくれない。証明できるのは、私が実際に1週間やってみた記録だけだ。
無料体験で見るべき、私なりの3つの手応え
7日間、私が確かめたのはこの3点だった。1つ、仕事から帰った夜に予習教材を開けたか。開ける気力が残っているか。2つ、予習して臨んだレッスンで、前夜に組み立てた答えが口から出たか。3つ、翌日にその表現を思い出せたか。この3つに手応えがあれば、私にとってこのサービスは機能している証拠になる。
星の評価には出てこない、私だけの手応え。無料期間はこれを測るためにある。良い口コミが集めた平均点は、この7日間の私の記録の前では何の役にも立たない。
続けるか決める、最初の2週間の見方
無料の7日間で手応えがあっても、本当の勝負は課金してからの2週間だと思っている。この2週間で、予習が回らない夜を1回でも金曜のやり方で乗り切れたか。完璧を捨てて、3の完成度でも続けられたか。ここを越えられれば、私は過去のパターンを1つ壊せる。
逆に、この2週間で予約画面を開かない日が3日続いたら、いったん立ち止まって、崩れそうな夜の穴埋めをスタディサプリのような手軽な教材に切り替える。全部やめるより、負荷を下げてつなぐ。これが、何度も途中でやめてきた私が今回だけは変えたいところだ。
「いつかやる」を、今夜の予習15分に落とす
私はずっと「いつか英語をやる」と言ってきた。そのいつかは5年来なかった。来なかった理由は明白で、いつかは日付のない約束だからだ。日付がなければ、今夜やらなくていい理由がいくらでも湧く。
だから今夜、無料体験に登録して、明日の朝のレッスンを1つ予約する。予約を入れれば、今夜15分だけ予習教材を開く理由ができる。15分でいい。7ページで止まった単語帳の前に座り続けた5年より、明日のレッスンのために今夜開く15分のほうが、私を先へ運ぶ。評判を読む夜を、予習を回す夜に変える。それが、27歳の私が今週踏める最初の1歩だった。
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