セブ島に1ヶ月留学した27歳が、最初の1週間でやめた3つと、残した1つ

フィリピン・セブ留学

成田を発つ朝、スーツケースの重さは23キロぴったりだった。参考書を7冊詰めて、単語帳を3種類入れて、それでも「これで足りるかな」と不安だった。35万円払って、1ヶ月で120コマのマンツーマンを予約して、セブ島の語学学校に飛んだ。営業事務の私が有給と貯金をかき集めて実現した、人生で1番大きな英語への投資だった。

結論から書くと、最初の1週間で私は3つを捨てた。捨てて残った1つだけが、帰国後もずっと私の中で動き続けている。ここでは検討段階で比較した5校の記録と、現地で自分の予定を組み直した過程を、費用と授業数と伸びの実感を数字で並べながら書いていく。


5校を2ヶ月かけて比較した記録

留学を決めてから出発まで、私は5校の資料を取り寄せて2ヶ月比較した。3月から4月にかけて、平日の夜は毎晩スプレッドシートを開いて、費用と授業数と食事と門限を1つずつ埋めていった。ここで真剣に見比べたことが、現地に着いてから予定を組み直す土台になった。

費用と授業数を横並びにして見えたこと

A校は4週間で29万円、1日8コマでマンツーマン6コマ。B校は33万円、1日6コマ全部マンツーマン。C校は26万円、1日10コマだけどグループ授業多め。D校は38万円、少人数で発音矯正に特化。E校は31万円、コマ数を自分で選べる方式だった。私が最終的に選んだのは、コマ数を減らせる融通が利くという理由でE校に近い1校だった。

比較していて気づいたのは、金額の差の大半が授業数と食事のグレードで決まっていたことだ。1コマあたりの単価に直すと、どの学校も25分授業で500円から700円の範囲に収まっていた。授業を10コマ受ける学校が1番お得に見えたけれど、単価が同じなら受けきれない授業は払い損になる。この気づきが、後で私を救った。

数字だけでは分からない食事と門限

資料を並べても分からなかったのが、生活のストレスだった。C校は門限が22時で、D校は平日外出禁止。私は営業事務で毎日オフィスに縛られている反動もあって、夜の時間まで管理される学校を無意識に避けていた。実際に選んだ学校は門限が23時半で、平日でも近くのカフェに出られる自由度があった。

食事は1日3食提供でも、口コミを読むと満足度が学校ごとにばらついていた。私は現地で自炊する気力なんて残らないと予想して、食事の評判が安定している学校を優先した。この判断は正解で、疲れ果てた夜に食事の心配をしなくて済んだのは想像以上に助かった。

比較表を作って初めて自分の優先順位が見えた

5校を並べる作業そのものが、私に「何を英語に求めているのか」を教えてくれた。TOEICのスコアアップを1番に据えるならグループ授業が多いC校でよかった。でも私が本当に欲しかったのは、初対面の人と詰まりながらでも会話が続く自分だった。だから発音特化のD校よりも、話す量が確保できて復習時間も取れる学校に軸を寄せた。

比較する前の私は、値段の安さと授業数の多さだけで学校を選びそうになっていた。5校のデータを埋めて初めて、自分が優先すべきは授業の数ではなく、受けた授業を消化する余白だと分かった。この視点が現地1週間目の決断を後押しした。


現地1日目に浴びた8時間の授業で息切れした

到着した翌日、月曜の朝8時から授業が始まった。8コマのマンツーマン漬けで、25分ごとに先生が変わる。1コマ目のクリスから始まって、昼を挟んで16時まで、私はほぼ休みなく英語を口から出し続けた。学校のスケジュール表を見て「これで元が取れる」と満足していた最初の私は、水曜の夜に完全に潰れた。

口は動いているのに何も残っていない

水曜の22時、部屋のベッドで私はその日習ったことを思い出そうとした。何も出てこなかった。8コマ分、1日で200分近く話したはずなのに、記憶に残った表現が1つもない。授業を受けている最中は充実感があった。でも夜になると、頭の中を英語がただ通り過ぎていっただけだと気づいた。

先生が入れ替わり立ち替わり来るから、同じ話を4回別々の先生にした。それでも次の日には言い回しを忘れていて、また詰まる。話す量は膨大なのに、話せるようになった感触がまるでなかった。私は焦って、夜に単語帳を開いて、さらに自分を追い込んだ。

疲労が英語を締め出していた

木曜の朝、私は寝坊しかけた。体が鉛のように重くて、朝食のトーストを食べながら涙が出そうになった。まだ4日目なのに、あと24日をこのペースで走りきる自信がなかった。1コマ目の先生に「昨日習ったこと覚えてる?」と聞かれて、何も答えられなかったのが決定打だった。

疲れきった脳は、新しい表現を入れる隙間がない。私は35万円を無駄にしたくない一心で、詰め込むほど英語が遠ざかる悪循環に自分から突っ込んでいた。ここで初めて、比較表を作っていたときの自分の結論を思い出した。私に足りないのは授業数ではなく、消化する時間だった。


1週間で捨てた3つと、残した1つ

木曜の夜、私はノートを広げて、明日から何を変えるかを書き出した。感情ではなく数字で決めようと思った。5校を比較したときのスプレッドシートを開いて、自分の1日を組み直した。捨てたものが3つ、最後まで手放さなかったものが1つある。

捨てた1つ目 8コマの授業を6コマに減らした

金曜の朝、私は事務室に行って授業を8コマから6コマに減らしてもらった。2コマ削ると1日で50分の空きができる。減らすとき、35万円払ったのに授業を減らすなんて損だという声が頭の中で響いた。でも受けきれない授業を惰性で消化する日々のほうが、よほど損だった。

減らして初めて、6コマの授業が記憶に残るようになった。空いた時間で先生から言われた言い回しをノートに書き写して、口に出して確かめる。翌日その表現を別の先生との会話で使えたとき、初めて「伸びた」と感じた。8コマで何も残らなかった1週間目と、6コマで確実に積み上がる2週間目の差は歴然だった。

捨てた2つ目 週末を観光で埋める計画を破棄した

私は出発前に、土日の観光プランをびっしり組んでいた。ジンベイザメと泳いで、島をめぐって、滝を見て、写真を撮る。せっかくのセブ島を満喫しないと損だと思っていた。でも1週間目の土曜、疲労で朝10時まで起きられなかった時点で、この計画は無理だと悟った。

観光を全部やめたわけではない。4週間のうち観光は2回だけと決めて、残りの週末は復習と休息に充てた。金曜の夜に予定を詰めるのをやめて、体を回復させることに時間を使った。休んだ翌週の月曜、頭がクリアで授業の吸収がまるで違った。疲れを持ち越さないことが、平日の授業の質を守る土台になった。

捨てた3つ目 夜の単語アプリを閉じた

伸びない不安に襲われた最初の数日、私は寝る前に単語アプリを30分やっていた。新しい単語を100個覚えても、翌日の会話で1つも出てこなかった。留学中に足りないのは単語の在庫ではなく、授業で出会った表現を口から出す反復だった。

アプリを閉じて、その30分をその日の会話ノートの音読に回した。先生が使った表現をそのまま声に出して10回繰り返す。この地味な作業を毎晩続けたら、2週間目の後半から、詰まらずに出てくるフレーズが増えていった。増やすより、手元のものを使えるまで磨くほうが会話に直結した。

残した1つ 授業外で知らない人に話しかける枠

3つを捨てて、最後まで残したのが「1日1回、授業の外で知らない相手に話しかける」というルールだった。カフェの店員でも、ジムで隣になった留学生でも、警備員のおじさんでもいい。教材の外で、失敗しても損のない相手に、自分の言葉で話しかける。

これが1番怖くて、1番効いた。授業では先生が待ってくれるけれど、カフェの店員は待ってくれない。注文を英語で言い切れないと飲み物が出てこない。この緊張感が、私の英語を教室から現実に引きずり出した。帰国してから今も残っているのは、この習慣だけだ。


コマを減らして復習に回す1日の組み方

授業を6コマに減らした後、私は1日の流れを具体的な時間割に落とし込んだ。感覚で過ごすと、また授業を受けるだけで満足する自分に戻ってしまう。数字で枠を決めることで、復習の時間を守りきった。

授業6コマと復習90分の比率を固定した

私が落ち着いた比率は、授業6コマに対して復習90分だった。授業が終わる16時から17時半までを復習の時間と決めて、その日習った表現をノートに整理する。25分授業が6つで150分、それに対して復習が90分。この割合になってから、習ったことが自分の言葉として定着し始めた。

復習を後回しにすると、翌日には内容が消える。だから復習は授業直後の脳が温まっているうちにやると決めた。夕食前の90分を守るために、私はその時間だけスマホを部屋に置いてカフェに行った。この物理的な距離が集中を作った。

その日の間違いはその日のうちに潰す

授業中、先生に直された言い回しを私はノートの右端に赤で書いた。復習の90分で、その赤い箇所だけを25分かけて潰す。「I go to there」と言ってしまった間違いを、その日のうちに「I go there」と20回口に出して上書きする。翌日同じ間違いをしなくなるまで、その日のうちに固めた。

間違いを寝かせると、翌日にはどこを直されたのか忘れてしまう。記憶が新しいうちに手を打つと、1回の修正で済む。この習慣が、限られた4週間で伸びの角度を変えてくれた。

予習は翌日の1コマ分だけに絞った

予習を欲張ると、また詰め込みに逆戻りする。だから予習は翌日の最初の1コマ分だけと決めた。15分で教材にざっと目を通して、知らない単語を3つだけ拾う。全部予習しようとすると眠れなくなるので、明日の入り口を軽くするための最小限に留めた。

この1日の組み方を、私は帰国前に無料相談で担当者に伝えて、自分に合う継続プランを一緒に組んでもらった。留学の見積もりや相談は出発前に済ませておくと、迷いなく現地に集中できる。

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日本語に逃げない仕組みを根性なしで作る

留学あるあるとして必ず言われるのが「気づいたら日本人同士で日本語を話している」問題だ。私も例外なく、2週間目の水曜、同じ時期に来た日本人3人と夕食を食べながら、気づけば2時間ずっと日本語でしゃべっていた。安心する。でも英語のためにここに来たはずだった。

日本語で過ごした夜に感じた焦り

その夜、部屋に戻って私は自己嫌悪に沈んだ。せっかく22時間近くを英語漬けにできる環境にいるのに、貴重な夜の2時間を母語で埋めてしまった。日本人と話すなと言われても、疲れた夜に無理なのは分かっていた。だから禁止ではなく、英語を使う枠を先に確保する方法に切り替えた。

根性で日本語を我慢するのは続かない。私は自分の意志の弱さを前提にして、逃げ道を塞ぐより先に英語の時間を予約で埋めた。

授業外の会話枠を毎日1つ予約で固定した

私は毎日18時に、学校のフィリピン人スタッフと15分だけ雑談する時間を作ってもらった。相手が待っている約束にすると、疲れていてもサボれない。この15分があるだけで、日本語に流れる夜にも英語の芯が1本通った。

枠を予約で固定すると、意志の力を使わずに英語の時間が回り始める。私は自分を信用しない代わりに、約束の力を借りた。18時のこの枠は、4週間で1度も飛ばさなかった。

フィードバックをくれる相手を1人に決めた

会話量を増やすだけでは、間違いが直らない。私は毎朝1コマ目のクリスを、自分の伸びを見てくれる固定の相手に決めた。「昨日より自然になった?」と毎日聞くと、クリスは具体的に「thの音がよくなった」と返してくれた。

複数の先生にばらばらに評価されると、自分の成長が見えない。1人に定点観測してもらうと、小さな前進が可視化される。この固定した相手の存在が、伸び悩む中盤で私を支えた。


帰国後にゼロへ戻さない橋のかけ方

留学の1番怖いところは、帰国後3日で全部ほどけることだ。私は空港で「明日から日常に戻ったら英語どうしよう」という不安に襲われた。実際、帰国して仕事が始まると、英語を話す機会は一瞬でゼロになる。この崖を、私は出発前から予測して橋をかけておいた。

留学の習慣は帰国後3日でほどける

1日6コマ話していた生活から、帰国して急に0コマになると、脳は英語モードを畳んでしまう。私は現地で作った「毎日誰かと英語で話す」という習慣を、帰国後も細く長く続けられる形に移し替える必要があった。

1日25分でいいから毎日話す枠を残す。留学で作った習慣を、日本の生活の中で持続可能なサイズに縮めて生き延びさせる。これができるかどうかで、35万円が投資になるか消費になるかが決まった。

帰国後の枠は出発前に予約まで済ませた

私は出発する前に、フィリピン留学の相談窓口で帰国後のオンライン英会話まで一続きで組んでもらった。留学だけで完結させず、帰国後にどう続けるかまで最初に相談しておくと、帰国後の崖が緩やかになる。

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帰国後の枠を出発前に予約まで済ませておくと、帰ってから探す手間で挫折することがない。私は帰国した翌々日の21時に最初のオンラインレッスンを入れておいた。この予約があったから、崖の手前で踏みとどまれた。

30歳までの逆算で続ける理由を固定した

私は27歳で、30歳でワーホリに行くという目標がある。あと3年をどう使うかで、その扉が開くかが決まる。留学の1ヶ月は、その3年の助走の入り口だった。続ける理由を「なんとなく英語ができたらいい」から「30歳のワーホリに間に合わせる」に固定すると、毎日25分を守る意味がはっきりした。

ゴールに日付が入ると、今日サボることのコストが見える。私は逆算のカレンダーを部屋に貼って、留学で作った習慣を日本でも動かし続けている。帰国後4ヶ月経った今も、21時のオンラインレッスンは私の生活に残っている。


セブ1ヶ月を無駄にしない出発前の準備

もし今の私が、もう1度セブ島に飛ぶなら、出発前にやることは決まっている。現地で1週間もがいて学んだことを、最初から準備に組み込めば、35万円の価値が何倍にもなる。今日から真似できる手順として3つ書いておく。

出発前に今の英語を1分録音しておく

私は出発前日、スマホに向かって自分の1日を英語で1分話して録音した。帰国後に聞き返すと、詰まっていた場所がすらすら言えるようになっていて、伸びが耳で分かった。数字で測れないと、伸びの実感が持てず途中で心が折れる。出発前の1分録音は、無料でできる1番確実な計測方法だ。

帰国後に同じ内容をもう1度録音して並べる。この2つの音声が、35万円の投資リターンを目に見える形にしてくれる。私はこの記録があったから、伸び悩んだ中盤も自分を信じられた。

学校選びは復習時間が取れるかで見る

5校を比較したとき、私は授業数の多さで学校を選びかけた。でも現地で潰れて分かったのは、受けきれない授業は払い損になるということだ。学校を選ぶなら、コマ数を減らせる融通が利くか、復習の時間を確保できる余白があるかを確認したほうがいい。

資料には授業数しか書いていないから、無料相談で「コマ数の変更はできますか」「復習の時間をどう作っていますか」と直接聞くのがいい。この質問への答えで、その学校が詰め込み型か消化重視型かが見える。

帰国後の枠は出発前に予約まで終わらせる

帰国後に英語を続ける枠は、出発前に予約まで済ませておく。帰ってから探そうとすると、日常に飲まれて永遠に始まらない。私は出発前に帰国翌々日のレッスンを予約したことで、留学と日常の間に橋をかけられた。

35万円と28日と120コマ。この数字を無駄にするかどうかは、現地の根性ではなく、出発前の準備と帰国後の継続で決まる。1ヶ月で英語を完成させる必要はない。伸びの角度を変えて、その角度を帰国後も保てれば、30歳の扉は少しずつ近づいてくる。私は今日も21時に、画面の向こうの先生と25分話している。


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