卒業後も残る締め切りが、月謝25万円より先に必要だった

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卒業式の翌週、私のスマホから英語アプリの通知が消えた話

去年の11月、英語コーチングの卒業面談を終えた金曜の夜、私は自分を少し誇らしく思っていた。3ヶ月間、木曜の夜22時半に眠い目をこすりながら課題を提出し、毎週の面談も1度も飛ばさなかった。TOEICのスコアも受講前より135点上がった。コーチは笑顔で「田中さん、ここからが本番ですね」と言ってくれた。その言葉を、私は励ましとして受け取った。

問題が起きたのは、卒業から12日後だった。仕事が立て込んで、水曜も木曜も英語を開かなかった。それまでなら木曜の夜に課題があったから、どんなに疲れていても25分だけは机に向かっていた。でもその締め切りは、卒業と一緒になくなっていた。金曜になって「そういえば」とアプリを立ち上げたら、通知バッジが1つも溜まっていないことに気づいた。誰も私が英語をやったかどうかを気にしていない。その静けさが、驚くほど怖かった。

その週末を境に、私の英語は止まった。1月に入ってアプリを開いた回数は、記録を見返すと2回だけ。走り切ったはずの3ヶ月が、卒業した瞬間に蒸発した。私はまた自分の意志の弱さを責めそうになって、途中で手が止まった。意志が弱い人間が、木曜の夜22時半の課題を12週連続でこなせるだろうか。走れたのだ。走れたのに止まった。だとしたら、原因は私の中にはない。

「コーチをつければ続く」が私に効かなかった仕組みを分解する

英語が続かない人にコーチングをすすめる理由は、だいたい3つに集約される。伴走者がいる、毎日の課題がある、週次で進捗を確認される。この3つは受講中の私には確かに効いた。だから疑わなかった。でも卒業後に止まった今、1つずつ確かめると、どれも同じ弱点を抱えていた。

伴走者は契約が切れると隣からいなくなる

コーチが隣にいる安心感は、月謝を払っている間だけ有効な安心だった。3ヶ月分の契約が終われば、コーチは次の受講生の隣に移る。当たり前のことだけれど、受講中の私はその当たり前を見ないふりをしていた。伴走してもらえる期間と、私が英語を使い続けたい期間が、まるで釣り合っていなかった。3ヶ月だけ伴走してもらって、その先の何年をどうするのか、誰も設計してくれない。

毎日の課題は、提出先が消えた瞬間に宙に浮く

毎日の課題が私を机に向かわせていたのは事実だ。でもよく思い出すと、私は英語をやりたくて机に向かっていたのではなかった。提出しないとコーチに見られる、その気まずさが嫌で開いていた。提出先が消えたら、課題という行為だけが残っても、それを開く理由がなくなる。習慣が身についたと錯覚していただけで、実際に身についていたのは「提出義務への反応」だった。義務が消えれば反応も消える。

週次の進捗確認は、鳴らしてくれる人がいて初めて成り立つ

週に1度、コーチが進捗を確認してくれる。この定期的な圧が、私のペースを崩さなかった。ただこの仕組みは、鳴らしてくれる相手がいることを大前提にしている。卒業して相手が鳴らすのをやめたら、私は自分で自分のアラームを鳴らせなかった。1度だけ、自分でスケジュール帳に「英語25分」と書き込んでみた。書いた日はやった。翌週から書くこと自体を忘れた。外から鳴らされる仕組みを、内側に移植できなかった。

「目標を明確にすれば動ける」が、私の場合ただの願望リストだった

コーチングの初回で、私は目標シートを書いた。「英語を話せるようになりたい」「海外旅行で困らない程度に」「できれば仕事でも使えたら」。コーチはもっと具体的にと言ってくれて、私は「日常会話がスムーズに」まで書き足した。当時の私は、これで目標が明確になったと思っていた。

今わかるのは、あれは目標ではなく願望のリストだったということだ。「話せるようになりたい」には、いつまでにという線が1本も引かれていない。線がなければ、今日やらなくても何も起きない。明日に回しても、来月に回しても、誰も困らない。私が5年間ずっと英語を後回しにできたのは、後回しにしても現実が1ミリも痛まなかったからだ。痛まないものは、いくらでも先延ばしできる。

目標の中身を細かくすることと、その目標に日付を打ち込むことは、まったく別の作業だ。私は前者ばかり丁寧にやって、後者を1度もやっていなかった。「日常会話がスムーズに」を100点満点で描いても、それがいつ必要になるのかが空欄のままなら、机に向かう夜は永遠にやってこない。逆に「7月の社員旅行で現地スタッフと自分で予約変更をする」まで刻めば、6月の私は嫌でも動く。動かないと7月に恥をかくからだ。

コーチングが本当にやってくれるべきだったのは、私の願望を細かく言語化する手伝いより先に、それを日付に変換する作業だった。でも受講期間が3ヶ月と決まっている以上、コーチが打てる日付は「卒業日」しかない。卒業日を過ぎたら、コーチには私に打ち込む日付がもうない。だから卒業と同時に、私の英語には締め切りがゼロになった。

止まらなかった唯一の期間に、コーチも課題も関係していなかった

実は5年のあいだで、1度だけ英語が止まらなかった時期がある。3年前の夏、会社の取引先にオーストラリアの会社が加わって、私が窓口のメール担当に指名された。英文メールなんて書いたことがなかった私は、青ざめた。でも逃げられない。相手からの返信は待ってくれないし、私が訳せなければ会議が止まる。

あの2ヶ月間、私は誰にも言われず英文法の本を開いた。通勤電車でビジネス英語の例文を暗記した。夜も、翌朝送るメールの下書きを何度も読み返した。コーチはいなかった。課題もなかった。週次の面談もなかった。それでも1日も休まなかったのは、休んだら翌朝の仕事が回らないからだ。英語を使わざるを得ない現実が、目の前に置かれていた。

その担当は、部署異動で半年後に別の人に引き継がれた。引き継いだ翌週から、私の英語学習はまた止まった。今になって並べてみると、答えははっきりしている。私が続けられたのは、意志が強かった月でも、いいコーチがいた月でもなかった。英語を使う締め切りが、私の生活の中に居座っていた月だ。その締め切りが外れると、私は毎回きれいに止まる。何度やっても同じところで転ぶのだから、転ぶ原因は私の性格ではなく、締め切りの有無だった。

だから月謝25万円のコーチング資料を、私はもう1度閉じた。手を出す前に確かめるべきだったのは、どのスクールのコーチが優秀かという比較より先に、卒業しても消えない締め切りを自分の3年後までに置けるかどうかだった。それが置けないなら、25万円は3ヶ月の延命にしかならない。3年前の私が証明している。

消えない締め切りを先に置くために、私が資料請求から始めたこと

締め切りが英語を続けさせるなら、私に必要なのは新しいコーチより先に、英語を使わざるを得ない現実そのものだった。頭で考えても現実は湧いてこない。だから私は、実際にその現実が置かれる場所を調べ始めた。留学だ。留学には出発日という、こちらの都合で動かせない締め切りがある。現地に着けば、英語を使わないと食事の注文すらできない。私が3年前の夏に経験したあの状態が、24時間続く。

最初にやったのは費用の把握だった。留学は高いという思い込みで長年避けてきたけれど、実際いくらかかるのか正確な数字を1度も出したことがなかった。ネイティブキャンプ留学で無料の見積もりを取ると、行き先や期間ごとに金額が並ぶ。25万円のコーチングを3ヶ月受けて卒業後に止まる未来と、同じくらいの予算で出発日という締め切りごと手に入る未来を、初めて同じ土俵で比べられた。

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見積もりの数字を眺めて、私が知りたくなったのは費用の内訳より先の話だった。私は営業事務で、仕事を辞めずに行けるのか、短期でも意味があるのか、27歳で30歳のタイムリミットが迫る私に現実的な選択肢はどれか。こういう個別の事情は、金額表だけでは埋まらない。そこで留学情報館の無料カウンセリングを申し込んだ。ここで話したのは「英語が話せるようになりたい」ではなく、「30歳になる前に、英語を仕事で使える自分に戻したい。そのために消えない締め切りが要る」という私の現実だった。

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カウンセリングは無料だから、申し込んだ時点では1円も動かない。ここで私が検証したかったのは、留学のプランそのものより、出発日という締め切りが本当に私を動かすのかという1点だった。相談の中で「では6月出発を仮に置いてみましょう」と言われた瞬間、私の頭が勝手に逆算を始めた。それまでに最低限の会話を仕込まないと、現地で1週間損する。この焦りは、コーチングの目標シートを書いたときには1度も湧かなかったものだった。3年前の夏に感じたあの焦りと、同じ質感だった。

3年後の私が、走り切った人ではなく締め切りを持っていた人であるために

これまでの5年を振り返ると、私は英語の勉強法をいくつも乗り換えてきた。独学、アプリ、スクール、コーチング。どれも受講中や利用中は動けた。そして毎回、外圧が外れた瞬間に止まった。方法を替えるたびに、私は「今度こそ続く方法を見つけた」と思い込み、そのたびに同じ場所で転んだ。替えていたのは方法だけで、転ぶ原因はずっと放置していた。

原因は、締め切りが利用期間と一緒に終わることだった。だから次に手を出すなら、利用が終わっても消えない締め切りが最初から含まれているものを選ぶ。留学の出発日は、私がサボっても延びてくれない。現地の生活は、私の意志と無関係に英語を要求してくる。これが、3年前の夏に私を1日も休ませなかった力の正体だ。

無料の見積もりと無料のカウンセリングは、課金の前に私の仮説を検証する道具になる。締め切りが本当に私を動かすなら、留学は投資になる。動かさないなら、その時点でやめればいい。25万円を払ってから気づくより、はるかに安く確かめられる。私が3年前に見積もりとカウンセリングをやっていたら、溶かさずに済んだ時間がどれだけあっただろうと思う。

30歳の扉の前に立ったとき、そこに残っているのは、いちばん長く机に向かった人ではない気がしている。使わざるを得ない現実を、自分の生活の中にちゃんと置けた人だ。私はもう、意志で自分をどうにかしようとするのをやめる。木曜の夜22時半に机に向かわせてくれる何かを、外側に用意する。その第一歩として、今日できるのは無料の数字を1つ取り寄せることだった。それなら、疲れて帰った金曜の夜でも、25分あれば申し込める。


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